ゆと日記

20代女。適当に喋ります。

面白すぎて気が狂う、『メイドインアビス』という作品

私が最近(とはいっても数年前ですが)どハマりしたアニメがこちら

メイドインアビスです。

メイドインアビス|WEBコミックガンマ 公式サイト

 

あらすじはサイトにも載っているとおり以下↓

隅々まで探索されつくした世界に、唯一残された秘境の大穴『アビス』。どこまで続くとも知れない深く巨大なその縦穴には、奇妙奇怪な生物たちが生息し、今の人類では作りえない貴重な遺物が眠っていた。アビスの不可思議に満ちた姿は人々を魅了し、冒険へと駆り立てた。そうして幾度も大穴に挑戦する冒険者たちは、次第に『探窟家』と呼ばれるようになっていく。アビスの緑に築かれた街『オース』に暮らす孤児のリコは、いつか母のような偉大な探窟家になり、アビスの謎を解き明かすことを夢見ていた。そんなある日、リコはアビスを探窟中に、少年の姿をしたロボットを拾い…?

 

メイドインアビス日常系アニメを彷彿とさせる可愛らしい絵柄でありながら、その徹底的に細部まで作られた世界観と予測できないストーリー、そしてハードでシリアスな展開から、国外問わずに愛されている作品です。

 

もちろん人気なのですが、ハードな展開とされるようにグロい描写も少なくはなく、15歳未満は鑑賞不可という年齢制限付きと、そういったのが苦手な人は見れない作品です。

個人的にグロさ比較では、進撃の巨人とあまり変わらない気がしますが、ほのぼのとした絵柄なだけにそれが余計に辛いという人もいるそうです💧

 

アビス」(英語で深淵を意味する)と呼ばれる深さ不明の大穴に、主人公の女の子「リコ」とその相棒「レグ」が挑んでいく様をメインに、この物語は進みます。一種のファンタジー物語と捉えてもらっても構いません。


そしてこのアビスですが。

潜るのにも一筋縄ではいかないワケがあります。

そしてそのワケが、この作品を面白い!と思わせる要素のひとつなのです。

(ストーリーのネタバレはしませんが、アビスの要素について今から触れますので、一切ネタバレを喰らいたくないという方はカムバックしてください)

 

まずは舞台であり、ストーリーの軸となるアビスについて。
約1900年前に南海ベオルスカの孤島で発見された、直径約1000メートル、深さ推定20000メートル超の巨大な縦穴であり、人類最後の秘境とされています。
アビスの中には、地上からの観測を妨げる謎の力場が存在するため未だに底はわかっておらず、中には独自の生態系が形成されています。また、現代の文明を遥かに超える、超常的な力をもつ遺物が数多く眠っており、探窟家達はそれを目当てに、日々探窟を続けています。

そんなアビスですが、深さによって名前がそれぞれつけられています。


深界一層(海面下~1350m) アビスの淵
深界二層(1350~2600m) 誘いの森
深界三層(2600~7000m) 大断層 
深界四層(7000~12000m) 巨人の盃
深界六層(13000~15500m)還らずの都 
深界七層(15500~?????m) 最果ての渦
深界極点(推定20000m以上) 奈落の底 

 

これらの層によって生息する生き物も違い、環境もガラリと変わります。
広大な自然のダンジョンのような感じです。

ファンタジーゲームみたいなただの冒険物語じゃないかと思いきや…

 

探究心で溢れるそんな探窟家たちの存在を許さないかのように、立ちはだかるモノがある

 

1.「上昇負荷

アビスへ潜る分には、特に身体への負担はありません。ですが、帰る時が問題なのです。

アビスで発見した遺物や情報を、地上へ持って帰ろうとする探窟家達を、容赦なく襲う原因不明の現象。
アビス内を上昇すると、心身に異常をきたします。これらは通称「アビスの呪い」と呼ばれ、ヒトである限りこの呪いから逃れる術はなく、深ければ深いほどこの呪いは強くなり、生きて帰ることすら出来なくなる…という恐ろしいモノ。

 

この上昇負荷は、数mぐらいの多少の移動なら問題ありません。しかし、それ以上の下から上への移動となると、途端に発症します。
一層では軽い目眩と吐き気で済みますが、二層からは重い吐き気に変わり、三層ではそれにプラス、平衡感覚に異常、幻聴や幻覚を見ます。
四層からは全身に激痛と、穴という穴からの流血…と深さに比例して、その上昇負荷が酷くなります。五層では全感覚の喪失と意識混濁、自傷行為
六層では人間性の喪失、もしくは
七層では確実な
と恐ろしい具合。

 

六層から下に行くことは、人間が五体満足で生還することが実質不可能であることを示すため、探窟家の間では「ラストダイブ」と呼ばれています。

もうこの時点でアビスに恐怖を覚えますが、探窟家を脅かすのはこれだけに留まらず。

 

2.「危険な原生生物
アビスには地上では見られない、独特の生態系をそれぞれの層に蓄えています。その中には人間を捕食するような獰猛な動物植物昆虫がいます。
全ての生き物がそうではありませんが(おとなしい生き物もいる)、アビスを潜る以上、いつ遭遇するかも分からないため、探窟家には原生生物への理解と知識が求められます。

原生生物は上昇負荷の影響もあって、定住型の生き物が多いようです。
しかし中には、上昇負荷に耐性を持つ生き物もおり、何層にもわたって餌を求めて移動する生き物も…。


そして、アビスの生き物については未だに名前が判定している生き物は1割にも満たないとされ、どんな生態を持っているのかも未知数なものがほとんど。

なんせ地上にはいない生き物が、わんさかいるのがアビスなので、命懸けで探窟家が生還して情報を伝えない限り、それが分からないのです。

そもそも、情報を手紙付きの気球で飛ばして地上に伝えようにも、先述した上昇負荷のせいで精神がおかしくなって幻覚を見ているのではないかと判断されることもあり、原生生物の研究も非常に困難なのです。


層によって、生息する生き物の種類も多種多様です。深くなれば深くなるほど、その層の生き物の分からないことは増えるばかり…。
そんな得体のしれない生き物と、食糧や水の確保をしつつも躱(かわ)しつつ、進まなければならない…。
なんとまぁハードすぎる冒険

 

主に上記2つが、アビスに挑む上で、探窟家に立ちはだかる主な要素なのですが、メイドインアビスが数多くのファンを離さない理由はそれだけではありません。

もちろん、漫画特有のお色気シーンやクスッと笑えるギャグ要素もあるのですが…

 

こだわり抜かれた幻想的かつ雄大な世界観とストーリー、容赦なく人に襲いかかるアビスの洗礼に、読者もとい視聴者は度肝を抜かれ、まるで本当にアビスがどこかに存在しているんじゃないかと錯覚するんです。

 

アビスの層ごとに分けられた環境といい、原生生物たちといい、何もかもが細かく設定、作り込まれており、その徹底ぶりは他の作品ではなかなか見られないものです。

 

そしてファンタジー風の冒険物語でありながら、魔法や必殺技といった便利なものはほぼ登場しない、シビアな世界観も素晴らしい。

アビスに挑むには強靭な肉体と精神、知識といった具合に、現実世界でも登山であれ海であれ、自然に挑む時に必要とされるものと全く同じで、リアリティがある。
気を抜こうものなら、命が幾つあっても足りず、無惨な死をあっけなく遂げてしまう…そこがなんとも無情で、見ていてハラハラドキドキします。

 

そんな理不尽で、恐ろしいアビスですが、原生生物の躍動感といい、層ごとの環境の不思議さといい、ただひたすらに幻想的で美しいのです。
好奇心をそそられるのは、探窟家だけではなく読者も同じ。

 

私のようにメイドインアビスのファンたちは、同じくアビスそのものに魅せられてしまっているのだと思います